ワイヤーハーネスや電気設備の配線に使用される「電線・ケーブル」には、数十種類もの規格が存在します。
一見どれも同じように見えますが、「大きなパワーを送る」「繊細な信号を送る」「固定する」「激しく動かす」といった用途によって、内部の導体の細さや被覆の材質が全く異なります。不適切な電線を選ぶと、機器の誤作動や早期断線、最悪の場合は発火のリスクに繋がります。
ここでは、ハーネス加工や設備配線の現場でよく扱われる代表的なケーブルを**4つのカテゴリ**に分け、その特徴と使い分けのポイントを解説します。
制御盤の中や、機械を動かすための信号伝達に使われます。加工のしやすさや、誤配線を防ぐ工夫が重要になります。
| IV線 / KIV線 (ビニル絶縁電線) |
IV線は少し硬く固定配線向け。一方のKIV線は中の銅線が細かく「可とう性(柔らかさ)」に優れています。曲げが多い制御盤内の配線や、ワイヤーハーネスの素材として最もポピュラーに使用されます。 |
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| CVV / CEVケーブル (制御用ケーブル) |
複数の電線を一つにまとめた制御回路用ケーブル。芯線が色分けされていたり、番号が印字(ナンバリング)されていたりするため、多芯ハーネス加工時の誤配線を防ぐことができます。 |
| MVVS (マイクロホン用コード) |
センサーやマイクなどの微弱な信号を扱う回路に使用します。周囲からの電気的ノイズを遮断するための「編組シールド(金属の網)」が施されています。このシールド線を綺麗に束ねてアースに落とす端末処理が、加工の腕の見せ所となります。 |
高い電圧や大きな電流を安全に流すためのケーブルです。設置環境(固定か、仮設・移動か)によって使い分けます。
| VCT / VCTF (キャブタイヤケーブル) |
柔軟性に優れ、ゴムやタフなビニルで覆われたケーブル。VCTFは300V以下(小型機器の電源など)、VCTは600V以下(工場用の移動用モーター動力など)で使い分けられ、移動する機器の電源コードなどに適しています。 |
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| CV / CVTケーブル (架橋ポリエチレンケーブル) |
工場やビルの主電源など、大容量の電力を送るための太い幹線ケーブル。熱に強く許容電流が大きいのが特徴です。3本の線をより合わせた「CVT」は施工性が高く、現在の主流となっています。 |
| VVF / VVRケーブル | 住宅や建物の屋内固定配線(壁のコンセントや照明器具など)に広く使われます。平形(VVF)と丸形(VVR)があり、ステップルでの壁面固定など、配線スペースの形状によって使い分けます。 |
高周波やデジタルデータを損失なくスピーディに送るためのケーブルです。
| LANケーブル (UTP / STP) |
機器間のデータ通信用。一般的な環境ではシールドの無い「UTP」が使われますが、工場などインバータノイズが多い環境では、ノイズ干渉を防ぐ金属箔シールドが付いた「STP」が選ばれます。 |
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| 同軸ケーブル | 断面が同心円状の特殊な構造をしており、高周波信号や防犯カメラの映像伝送に使用されます。先端にBNC等の専用コネクタを取り付ける特殊な圧着技術が必要です。 |
| AEケーブル (警報用ケーブル) |
火災報知器の感知器や、館内放送用のスピーカーなど、弱電設備配線に使用される専用の信号線です。 |
極端な環境や、万が一の災害時に機能することが求められるケーブルです。
| ロボットケーブル (FA用可動ケーブル) |
産業用ロボットのアームやケーブルベアなど、数百万回の激しい曲げ伸ばしに耐えられるよう、極細の導体やすべり材を用いた特殊ケーブルです。(詳細記事はこちら) |
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| エコケーブル (EM-EEF など) |
燃やしても有毒なハロゲンガスやダイオキシンを発生させない「ノンハロゲン材料」を使用した環境配慮型ケーブル。名称の頭に「EM(Eco Material)」が付き、公共工事や病院等で指定されます。 |
| 耐火(FP) / 耐熱(HP) ケーブル |
火災が発生して高熱に晒されても一定時間はショートせず、非常用の消火ポンプや排煙機、非常警報装置に電力を供給(または信号を伝達)し続けるための命綱となるケーブルです。 |
このように、ケーブルには「流す電気・信号」「ノイズの有無」「使用される環境」に応じて数多くの種類があります。
イー・エス製作所では、多種多様なケーブルの特性を熟知しており、お客様の用途に合わせた最適なケーブル選定のサポートを行っております。また、KIV線の精緻な圧着から、MVVSや同軸ケーブルの繊細なシールド処理、大電流用ケーブルの加工まで、それぞれの特性に合わせた確実な端末加工技術を提供いたします。ハーネスやケーブル配線でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。