「圧着」とは、金属の端子と電線の導体(銅線など)を専用の工具で強固に押し潰し(加締め:かしめ)、接合する技術です。
単に潰して固定しているように見えますが、実は適切な圧力が加わることで、金属同士がミクロのレベルで擦れ合い、表面の酸化膜が破れて新しい金属面同士が密着する「冷間溶接(常温で金属が一体化する現象)」に近い状態になります。これにより、非常に低い電気抵抗と高い物理的強度を実現しています。
一般的なオープンバレル型の圧着端子には、電線を固定するために役割の違う2つの「ツメ(バレル)」が備わっています。
電線の被覆を剥がした「導体(芯線)」部分を直接包み込んで押し潰す部分です。
電気が通る最も重要な接点であり、導体が隙間なく変形して端子と一体化することで、確実な導通を確保します。
電線の「被覆(ビニール部分)」を包み込んで固定する部分です。
ここをしっかり固定することで、使用中に電線が引っ張られたり振動したりした際に、ワイヤーバレル(芯線部分)へ直接負荷がかかり、断線してしまうのを防ぐ役割があります。
どれほど良い電線と端子を使用しても、それを潰す「工具」の精度が低ければ不良品となります。量産加工においては、自動機に取り付ける金型である「アプリケータ」がその役割を担います。
圧着の良し悪しを決定づけるのが、端子を潰した後の高さである「クリンプハイト」です。端子メーカーは、使用する電線の太さに応じて0.01mm単位で適正な高さを規定しています。
イー・エス製作所では、数百種類に及ぶアプリケータを保有し、定期的にマイクロメーターでクリンプハイトを測定、引張強度試験を実施することで、常に安定した高品質な圧着加工を実現しています。