設計・基礎知識

ワイヤーハーネス図面の書き方とケーブル長「公差」の考え方

「ワイヤーハーネスの図面をどう書けばいいか迷っている」「公差をどの程度に設定すべきか分からない」といった設計者やエンジニアの方に向け、図面作成の基本と寸法の考え方を解説します。

1. 図面の読み方・書き方の基本

ワイヤーハーネス図面は、単純な部品図とは異なり「電気的なつながり(回路)」と「物理的な寸法・加工指示」の両方を表現する必要があります。

コネクタのピンアサイン表(結線表)の書き方

配線のつながりを示す結線表は、図面内に必ず記載します。一般的には「FROM(起点)」と「TO(終点)」に分け、以下の項目を一覧表にします。

  • コネクタ番号・ピン番号: 「CN1の1番ピン」から「CN2の3番ピン」へなど。
  • 線種・サイズ(AWG/SQ): UL1007 AWG22 など。
  • 電線色: 赤、黒、青/白(ストライプ)など、誤配線を防ぐために明確に記載します。

ツイストペアやシールドの図記号での表現

  • ツイストペア(より対線): 該当する2本の配線を図面上で交差させる(クロス記号)、または2本を括弧でくくり「ツイスト」と注記します。
  • シールド: シールド対象となる配線の束を破線の円や網目模様で囲み、シールドのドレン線(アース)がどのピンに落ちるのかを明記します。

2. ケーブル長の「公差(許容差)」の考え方

ワイヤーハーネス設計において、最もトラブルになりやすいのが「寸法(全長)」と「公差」の設定です。

寸法の測り方の定義を明確にする

「全長1000mm」と指示があった場合、それがどこからどこまでの長さなのかを図面上で明確にする必要があります。

  • コネクタ端〜コネクタ端: ハウジング(樹脂部分)の先端から先端まで。
  • ピン〜ピン: 端子の先端から先端まで。
  • 電線長: コネクタ内部に隠れるストリップ長を含めた、カットする電線そのものの長さ。(※加工業者への指示でよく使われます)

適切な公差設定(厳しすぎるとコストが跳ね上がる理由)

ケーブルは樹脂や銅線でできており、温度による伸縮や、曲げや撚りによる「うねり」が生じるため、金属部品のような厳しい公差(±1mmなど)を出すことは物理的に困難です。

公差を厳しくしすぎると、加工業者は機械での自動切断ができず、長めに切って手作業で微調整するなどの手間が発生し、**歩留まりの悪化と加工コストの大幅な上昇**につながります。
基本的にはJIS規格(JIS C 2811等)や業界標準に基づき、以下のようなゆとりを持った公差設定(プラス公差を大きめにとる)が推奨されます。

  • 例:〜500mmの場合 ±10mm または +20mm/-0mm
  • 例:1000mm〜の場合 ±20mm または +30mm/-0mm
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