コネクタは、電線同士、あるいは電線とプリント基板などを接続し、必要に応じて簡単に切り離す(着脱する)ことができる部品です。
主に、金属製で電気を通す「コンタクト(オス・メスの端子)」と、それを保持し絶縁する樹脂製の「ハウジング」で構成されています。修理やメンテナンス時の作業性を飛躍的に高めるため、あらゆる電子機器・産業機器の内部配線に不可欠な存在です。
ワイヤーハーネスの図面で指定されることが多い、国内外の代表的なコネクタメーカーとそれぞれの得意領域をご紹介します。
| 日本圧着端子製造 (JST) |
国内最大手のコネクタメーカーです。プリント基板用コネクタや中継接続用コネクタなど、家電製品から産業機器まで圧倒的なシェアを誇ります。狭いスペースに収まる極小ピッチコネクタの開発にも強く、日本国内の図面で最も目にするメーカーの一つです。 |
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| TE Connectivity (旧AMP / タイコ) |
世界最大級の接続部品メーカーです。「AMP」ブランドとして知られる同社のコネクタ(ダイナミックシリーズなど)は、高い振動や過酷な環境での信頼性に定評があり、自動車業界や重厚長大な産業機械分野において事実上のグローバルスタンダードとなっています。 |
| ヒロセ電機 (HRS) |
スマートフォンや通信機器向けのマイクロコネクタ、FPC/FFC(フレキシブル基板)用コネクタで世界トップクラスの技術を持ちます。また、産業機器向けの堅牢な丸型コネクタや角型コネクタでも高いブランド力と信頼性を築いています。 |
| モレックス (molex) |
アメリカに本社を置くグローバルメーカーです。PC、家電、自動車、医療機器など幅広い分野で製品を展開しており、特に汎用性が高く扱いやすい「Mini-Fit」シリーズなどは世界中の電源接続用途で標準的に使われています。 |
| オムロン (OMRON) |
制御機器・FAシステムの大手メーカーですが、基板対電線用コネクタやFPC/FFC用コネクタなどの電子部品においても高い技術力を持っています。特に産業機器やセンサー周辺など、高い信頼性が求められる領域で広く採用されています。 |
【参考】コネクタのより詳細な基礎知識・構造について
コネクタの基本構造(ピンとソケットの接触メカニズム等)や詳しい技術解説につきましては、オムロン(OMRON)様が公開されている「コネクタ 基礎知識」のページが非常に分かりやすいため、ぜひご参照ください。
FA(ファクトリーオートメーション)機器や産業用機械の配線において、頻繁に使用される代表的なコネクタを形状ごとにまとめました。
| ナイロンコネクタ (ナイロン / 樹脂製) |
樹脂(ナイロン等)のハウジングを持つ最も一般的なコネクタです。軽量かつ低コストで、基板と電線の接続や、機器内部の電源・信号配線に広く用いられます。汎用性が非常に高いのが特徴です。 |
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| 角型コネクタ (Rectangular) |
嵌合部(挿し込む部分)が四角形になっており、多数のピン(芯線)を高密度に配置できるコネクタです。産業用ロボットや工作機械の制御盤など、複数の信号線や電源線を一括で接続・分離する用途に最適です。 |
| 丸型コネクタ (Circular) |
嵌合部が円筒形になっているコネクタです。ネジ締めやバヨネット(押し込んで回す)方式で強固にロックできるため、振動や引っ張りに非常に強く、サーボモーターや各種センサーなどで重宝されます。 |
| D-Subコネクタ (D-Subminiature) |
アルファベットの「D」の形をした金属製シェルを持つコネクタです。逆差し防止構造になっており、パソコンの通信ポート(RS-232C等)や、制御機器のI/O(入出力)信号用として世界中で標準的に使用されています。 |
| 同軸コネクタ (Coaxial) |
高周波信号を伝送するための「同軸ケーブル」専用のコネクタです。通信アンテナや映像機器、計測器などで使用され、用途に合わせてBNC型やSMA型などの規格が使い分けられます。 |
ワイヤーハーネスの設計や図面において、コネクタは「接続相手」や「使用環境」によって、主に以下の3つに分類・指定されることが多くあります。
| 基板対電線コネクタ (Wire-to-Board) |
プリント基板側に実装された「ピンヘッダー(オス側)」に対して、電線を取り付けた「ハウジング(メス側)」を差し込んで接続するタイプです。機器のメイン制御基板から電源や信号を引っ張り出す際に多用されます。 |
|---|---|
| 電線対電線コネクタ (中継用:Wire-to-Wire) |
電線が付いたコネクタ同士を空中(中継)でドッキングさせるタイプです。装置のユニット間を跨ぐ配線や、メンテナンス時に切り離す必要がある長い配線の途中に設けられます。 |
| 防水コネクタ (Waterproof) |
ハウジングの内部や嵌合部にゴムパッキンやシリコンシールが内蔵された特殊形状のコネクタです。自動車のエンジンルーム、屋外設置機器、厨房機器など、水滴や埃が侵入する恐れのある過酷な環境で使用されます。 |
コネクタのコンタクト(端子)に電線を接続する方法には、主に「圧着」と「圧接」の2種類があり、用途によって明確に使い分けられます。
| 圧着 (Crimping) |
電線の絶縁被覆を専用工具(ストリッパー)で剥がして内部の導体を露出させ、端子のバレル(筒)部分に挿入し、専用のダイスで物理的に強くかしめて(押しつぶして)固定する方式です。 【特徴】 非常に高い引張強度と確実な電気的接続が得られます。微小電流の信号線から大電流の電源線まで幅広く対応できるため、ワイヤーハーネス加工において最も標準的で信頼性の高い接続方法です。 |
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| 圧接 (IDC) |
電線の被覆を剥がさず、U字型などのスリット(刃)を持つ端子に電線を上から直接押し込む方式です。端子の刃が被覆を突き破り、内部の導体と接触して導通します。 【特徴】 被覆を剥く工程が省略できるため、フラットケーブル(リボンケーブル)など多数の芯線を一括で結線する作業に非常に適しています。ただし、引張強度は圧着に劣るため、主に基板周辺の信号線や小電流の通信用途に限定されます。 |
コネクタのコンタクト(端子)は非常に小さく精密なため、各メーカー・各シリーズごとに専用の「アプリケーター(圧着金型)」を使用して自動機で加工する必要があります。指定以外の工具を使用すると、端子の変形や、ハウジングに端子を差し込んだ際にロックがかからず後ろに抜けてしまう「半挿入(端子抜け)」という重大な不良を引き起こします。
イー・エス製作所では、JST、TE、モレックスをはじめとする主要メーカーの純正アプリケーターを多数保有。カチッと音がする確実な嵌合ロックのチェックはもちろん、クリンプハイト(圧着高さ)の厳密な管理を行うことで、メーカーの設計品質を100%引き出す確実なハーネス加工を実現しています。